『スー』と名付けられたチンチラを、早速新しく買ったケージへ。
「ほらっ。ここが新しいお家だよっ。気に入ってくれるといいんだけど。」
ケージの入り口に置かれたスーさん。
最初は、異世界にたどり着いたようにあたりをキョロキョロ。
オドオドとまわりを探索しながら、鼻をヒクヒクさせて匂いを確認し、
一歩ずつ中へ踏み締めていく。
そして、ある程度構造を理解したのか、
こちらが何かしたとしても、すぐ逃げられるように
一番高い位置を陣取り、全体を見下ろすスーさん。
まん丸なフォルムに、真っ黒でつぶらな瞳。その愛くるしい見た目とは裏腹に、こちらを値踏みするような鋭い視線を感じる。
「あ〜。これがネットで見た、チンチラの警戒心の強さか〜。
全然信用していない感じが伝わってくるなぁ」
その後も、ちょっとソファから動くだけでセーフティーゾーンに逃げ込むスーさん。
いやいや。。臆病すぎでしょ。
ペットショップで一番臆病な子を選んだとは思うけど
これ本当に懐くの・・・?
そんなこんなで夜9時。
そろそろ部屋んぽ(部屋での散歩)させた方が良いかな。
ガチャッ。
「ほらっ。スーさん出ておいで〜。」
・・・オーイ。
・・・・。
出てこない・・・。
オーイ……。
……全然出てこない…。
結局、初日の夜はケージの一番高く、安全なところから動かなかった。
3日目、やっと少し出てきても行動範囲は狭く、
明らかにこちらを警戒しながら、
ちょっとこちらが動くだけで逃げてしまうスーさん。
これはダメだ…。
距離感が全然縮まらない。
もっと自分が無害であることを理解してもらわないと・・・。
そこで、どうせ行動範囲が狭いのなら
ケージの周りに柵を立てて、一旦エリアを制限。

自分もその中に入り、自分は無害だと思ってもらうために
ひとまずスマホでもいじって、しばらくスーさんに触らないよう様子を見てみよう。
さあ。吉と出るか凶と出るか。
つづく。
次回「ココロのキョリ」

