チンチラと暮らそう⑥/出てこない。

『スー』と名付けられたチンチラを、早速新しく買ったケージへ。




「ほらっ。ここが新しいお家だよっ。気に入ってくれるといいんだけど。」



ケージの入り口に置かれたスーさん。

最初は、異世界にたどり着いたようにあたりをキョロキョロ。
オドオドとまわりを探索しながら、鼻をヒクヒクさせて匂いを確認し、
一歩ずつ中へ踏み締めていく。



そして、ある程度構造を理解したのか、
こちらが何かしたとしても、すぐ逃げられるように
一番高い位置を陣取り、全体を見下ろすスーさん。


まん丸なフォルムに、真っ黒でつぶらな瞳。その愛くるしい見た目とは裏腹に、こちらを値踏みするような鋭い視線を感じる。



「あ〜。これがネットで見た、チンチラの警戒心の強さか〜。
全然信用していない感じが伝わってくるなぁ」


その後も、ちょっとソファから動くだけでセーフティーゾーンに逃げ込むスーさん。

いやいや。。臆病すぎでしょ。



ペットショップで一番臆病な子を選んだとは思うけど
これ本当に懐くの・・・?


そんなこんなで夜9時。
そろそろ部屋んぽ(部屋での散歩)させた方が良いかな。





ガチャッ。
「ほらっ。スーさん出ておいで〜。」





・・・オーイ。



・・・・。




出てこない・・・。






オーイ……。








……全然出てこない…。







結局、初日の夜はケージの一番高く、安全なところから動かなかった。

3日目、やっと少し出てきても行動範囲は狭く、
明らかにこちらを警戒しながら、
ちょっとこちらが動くだけで逃げてしまうスーさん。


これはダメだ…。
距離感が全然縮まらない。

もっと自分が無害であることを理解してもらわないと・・・。

そこで、どうせ行動範囲が狭いのなら
ケージの周りに柵を立てて、一旦エリアを制限。



自分もその中に入り、自分は無害だと思ってもらうために
ひとまずスマホでもいじって、しばらくスーさんに触らないよう様子を見てみよう。





さあ。吉と出るか凶と出るか。







つづく。
次回「ココロのキョリ」

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